写真が絵画に与えた影響


写真が発明されたことが、絵画を大きく変えたのは事実だ。だが、写実的に描く必要がなくなったので絵画は不要になったなど、マイナスの影響ではない

現在 印象派と言われるグループが制作していた19世紀後半、当時の写真は現代とは大きく違った。細部はピンボケのようでハッキリとせず、光と影が作る明暗の階調もスムーズに表現出来ていなかった。手前の対象物は影を飛ばす位に強く光が当たり、背景から浮き上がっていた。そう、エドゥアール・マネの初期作品のように。

マネ以外にも、写真という新しいメディアの影響を受けた作家は多いだろう。エドガー・ドガが構図を参考にした内容は過去のテキストに記載したが、ひょっとしたらクロード・モネも影響があるかもしれない。モネ作品の、対象物の境を無くして画面全体が一つに表現された絵画は、ピント調整に失敗し、画面全てが ぼやけてしまった写真に似ている。写真という新しいメディアの偶然できた失敗作だからこそ、そこにモネは新しい表現を見たのかもしれない。

確かに、写真の登場をマイナスに考えた作家も居ただろう。しかし 絵とは違った表現に着目し、柔軟に絵画に応用 した作家達が新しい絵画を創り出し、絵画芸術の歴史は続いた。 むしろ写真は 絵画の表現の幅を広げ、プラスに作用した と言えるだろう。

2024年記

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