芸術絵画において、支持体が正方形の作品は避けるべきであり、またシンメトリーなデザインの作品は非創造であると、若い頃 ある論評で読んだことがある (一語一句 正確に覚えているわけではないが、そんな感じのニュアンスだったと思う)。はっきり言って その時は意味が理解できなかったが、最近になり、その意味が ようやく解ってきた。
中核芸術は美である現実を表現しているが、絵画作品の支持体である四隅が90度角の長方形は、自然界には存在しない形状だ。長方形ですら存在しないのに、正方形なら完全に人工的で もっと??? 存在しない形状になる。芸術とは “造りもの” であるからこそ、避けられない人工物さ加減は最低限でいいと感じる。そういった意味で、過度に人工的過ぎる支持体は避けるべき、とのことだろう。 また、正方形は主張が強過ぎる特殊な物体で、作品に没入する妨げになる、というのもあるかもしれない。
次にシンメトリーについて。 地球上の動物は ほぼ全てが左右相称だから等、そんな大袈裟な事ではなく、簡単に誰でも考えられるデザインだからではないだろうか。シンメトリーは個性も無く簡単なわりには、それっぽく見えてしまう。そう言った意味で、”非創造” なのだろう。
例えばピート・モンドリアンやバーネット・ニューマンのように、歴史に残る大家にも正方形やシンメトリーのデザインの作品は確かに在る。しかし私が思うに、それは実験的な作品であり完成作品ではなかった。中には素晴らしい作品もあるが、それが一番の作品ではない。やはり この二つは、タブーとまでは言わないが、積極的に利用するフォーマットではないのだろう。
※実は私も、過去にシンメトリーの作品を制作したことがあった。その時の私の気持ちは、今思えば確かに実験だった。あえて、それに挑戦してみようという気持ちだった。振り返って、若い頃に歴史に残る大家と同じ挑戦をしていたと思ったら、少し嬉しくなった。(笑)
2024年記
